橋本建築設計
2013年7月8日

地盤改良

長らく更新していませんでしたが、「湘南の住宅」はつい先日着工しました。

 

設計事務所の言う「着工」とは建物の基礎工事を指すことが多く、その基礎工事に取りかかったのが先週の後半ですから、本当に「つい先日」ですね。

 

ただ、今回は土地の造成もあったので、地鎮祭や造成工事は先行して行なっており、先々週の末には地盤改良工事も行ないました。

 

その地盤改良写真です。

 

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今回も「スウェーデン」にて地盤調査を行いました。以前にも書いたとおり、この方法はあくまで簡易的なものですが、今回もある程度どのような土地か事前に推測できたのでこの調査方法を採用しました。

 

その結果、土地が少し不安定なことを示す数値が出てきました。また、改良が必要な深さから「柱状改良」という方法を採用することにしました。

 

住宅の地盤改良としてはごく一般的な方法です。

 

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アップの写真。

 

丸い穴の中に見えているグレーのものが柱状改良の頭で、この上に直接建物の基礎が乗ります。深さが違うのは基礎の深さが場所によって違うからです。

 

通常、基礎の深さは地面の凍結深度によって決まります。基礎の底を凍結深度より深くしないと地面が凍った時、建物が持ち上げられる可能性があるからです。氷の力って恐ろしいですね。

 

松本市周辺の凍結深度は大体60〜70cmぐらいで、この値はほぼ標高によって決まります。一方で、今回の建設地である神奈川県・平塚市周辺は標高も低く非常に温暖な気候なので地面の凍結はまず無いですが、その場合でも「建物外周部の基礎はある深さ以上にしなさい」との決まりがあり、また、構造計算の結果からも深さを決めています。

 

ちなみに、上の写真ではその決まりより基礎の底になる部分が浅く見えるかもしれませんが、最終的にはここから更に15〜20cmほど土を盛りますのでご安心下さい。

 

ところで、地盤改良後に現場でお施主さんとお話しをしていたとき、こんな話しをされていました。建設地周辺に建つ家の多くはこのような地盤改良をしていないそうで、工事の様子を見たご近所の方が「どんな豪邸が建つのか?」と思われたそうです。

 

特別豪華な建物でも3階建ての建物でもなく、規模的にはごく普通の木造2階建て住宅で、私はいつも通りに設計しただけです。

 

実はこのような話しはあちこちで聞きます。

 

住宅を建設する際に地盤改良を行なうようになったのは割と最近の話しで、10〜20年前は地盤改良はおろか地盤調査すら行なわずに家を建てていたように記憶しています。良いとか悪いとかではなく当時はそれが常識でしたし、地盤改良をしていないからと言って家が倒れたとの話しも聞いたことがありません。が、相次ぐ地震等の災害を受け、年々安全に対する基準や設計者の意識が「より安全に」と高まってきたと言うことです。

 

今回の場合、数m離れた場所で地質が違っているような不安定な土地でしたので迷わず地盤改良をしましたが、中には「無くても多分大丈夫なんだけど、ハッキリ言って迷う」場合もあります。その場合、お施主さんにありのままを説明し、納得をいただいた上で地盤改良をするようにしています。念のためと言うことです。

 

通常住宅1棟にかかる地盤改良の費用は70〜80万ほどです。数千万もする住宅を建てるのですから、その金額で「安心・安全」を手に入れられるなら安いものだと個人的には考えています。