竣工・引渡し
最初にこの仕事のお話を頂いてから約7ヶ月、目標どおり2009年内にお引渡しすることができました。それもこれも、お施主さん、お大工さんをはじめこの工事にたずさわったすべての方々のおかげです。お世話になった皆様に、この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
今回の工事では、築30年になる木造2階建て住宅の一部、約70㎡を、外壁を含め全面的に改築しました。一部とは言え、ここにはリビング・ダイニング、キッチン、浴室、トイレのほか、寝室や家族玄関なども含まれ、今回の改築範囲内だけで生活することも十分可能です。
設計をするにあたっては、お施主さんとそのご家族に快適に暮らしていただけるよう、「機能的な動線計画」と「居心地の良い空間作り」の2つを柱としました。また技術面・コスト面から考えて、柱や梁など構造体には極力手を加えないで済む範囲で改築計画を立てました。

この建物の中心となるのは、リビング・ダイニング、それらと一体となるオープンキッチンを合わせた、20畳弱の空間です。決して広いということはないですが、あまり殺風景にならないよう、天井の高さや内装の仕上に変化をつけ、視覚的な広がりと木の温もりを感じられるような空間にしました。

また唯一外部に面する西側には、大きな開口部を設けました。部屋の広さ(奥行き)から考えるとこれでも十分とは言えませんが、昼でも照明を必要としていた改築前の状況から比べると、とても明るくなりました。内装には柔らかな表情をもった木や、天井・壁の塗装もはそれに合わせたややクリームがかった色を選び、清潔感と暖かみのある空間としました。

キッチンのシンク前からは、正面に既存の玄関ホール、左を向き戸を開けると家族玄関とその先の洗面脱衣室・浴室まで見通すことができます。また廊下のつきあたりにある寝室とトイレは、直接は見えませんが人の気配を感じることができる距離です。家事の中心であるキッチンを、家中の様子がわかり、また、どの部屋へもアクセスしやすい位置に配することで、効率よく家事が行えるようにしました。